病棟管理のChecklist(必見)

  ~目次~
1|病棟管理の際のChecklist
2|解説
3|まとめ

“カルテのテンプレート”を利用するにあたり、まずは救急外来での基本的な立ち回りについて理解を深めていた方が良いでしょう。
まずは以下に救急患者対応に共通するざっくりとしたチェックリストを作成しました。

病棟管理の際のChecklist

・事前準備
前日に患者さんを受け持つことが分かっているのなら、サッとでもいいから後述のポイントに注目しながらカルテを見ておき、ある程度カルテを作成しましょう。
0から始めるのと、ある程度でもいいから知っている状態から始めるのとでは時間も心の余裕もまったく違います。

・カルテテンプレ展開、ざっと情報収集
テンプレを展開し以下項目を流し見て、その患者さんが何に困っているのかを記載又は把握しましょう。
①main problem
②short summary
③active medication
④nighttime event
⑤バイタル*¹
⑥前任者のproblem list(あれば)
後々何度も繰り返しますがカルテを書くことが仕事ではないので注意しましょう。

・訪室、診察
先ずは当然挨拶から。
その後、調子であったり、困っていることであったりを伺いましょう。
その患者さんの病気に対応した身体診察もしましょう。
bedsideで治療やdeviceなど何が入っているかも確認しましょう。酸素、点滴、バルーン、などなど。

・詳細に情報収集
文字通り。
食事摂取量は?In-outは?リハビリはどこまで進んでる?など。

・Assessment/Plan
problem listを作成し、一つ一つ丁寧にassessmentしていきましょう。
1つのproblemがあれば最低でも“原因は?”、“対症療法は?”、“根本治療は?”、“今後のfollowや方針は?”
位は思考/記載するようにしましょう。
ただし、肝心の内容はまだまだ間違えや勘違いが多いと思われますので”~~必要か”や、”~~の可能性が考えられる”などとぼかして記載していきましょう。

・To do記載/上級医に相談
恐らく研修医の時分では思いついたことをそのまま履行することは難しいでしょう。
ですので、その日/今後行いたいことをすべてリストアップしておき、上級医に根拠を持って相談しに行きましょう。

・カルテの修正と加筆
上級医に相談した結果、多くの場合ボッコボコにされるでしょう。
ありがたい話を受けて、カルテ(延いては自分の間違えた思考)を修正し、上級医の指示のもとTo doをこなしていきましょう。
こなしたものはその結果がどうなったのかも記載していきましょう。

・勤務終わり前、その日のうちに変わったことを記載
翌日改めて整理するので、修正ではなく、加筆する方がよいでしょう。

バイタル異常あればすぐに患者さんのもとに飛んでいきましょう。そこからは“救急外来対応”を参照してください。

上記Checklistを見ながら、

病棟管理よりも先にカンファレンスでのプレゼンの仕方を教えてくれよ!

っていう方も居たんじゃないでしょうか?その気持ちはとても分かります。
プレゼンの度に劇詰めされ、焼き尽くされるなんてことは研修医あるあるではないでしょうか?
しかし、良いプレゼンをする為には、まず患者さんのことを深く知り尽くす必要があります。

食べたこともない、歴史もまったくしらない、google検索して画像を見ただけ、臭いということしか知らない、”キビヤック”という料理をプレゼンしろ、と言われても不可能ですよね?

実際に 嗅いでみて、食べてみて、嚙んでみて、なんでこんな料理に行きついたのかなど歴史を学ぶなどして、初めてまともなプレゼンが出来るのではないでしょうか。

患者さんのプレゼンも同じです。
その患者さんには背景があり、今回の病歴があり、今何が起こっていて、その結果なんの病気が考えられ、それに対して何をしてきて、今どうなっているのか、そしてそれを受け今後どうしていくのか、、、というストーリーを把握する必要があります。

どんなにみなさんが優秀でも、限られた時間内で全て把握しに行くのは難しいでしょう。
そこで、当サイトのテンプレを利用してもらうことで、皆さんが漏れなく患者さんの状態を確認できるお手伝いが出来ればと思います。

それではもう少し詳細に記載して参ります。

解説

・事前準備
何事もそうですが、事前の準備なくして良いパフォーマンスを出すことは適いません。
別項で紹介するテンプレ(一般病棟患者ICU患者)や、以下に示すポイントを参考にしながら予習するようにしましょう。

・カルテテンプレ展開、ざっと情報収集
まずはテンプレを展開し、

①main problem:要は入院時主病名、もしくは経過が長く問題が移っているならその病名。
②short summary:どういう経過を辿ってきたのか、入院前から入院後の話をまとめましょう。
③active medication:そのproblemに対して今なんの薬が入っているのかを把握しましょう。
④nighttime/daytime event:自分の受け持つ勤務帯前にはどんなことが起こったのかを確認しましょう。医師のカルテだけでなく、看護師さんの記載した内容も大いにヒントとなることがありますので、必ずチェックしましょう(特に夜間帯)。
⑤バイタル:最新のものを確認しましょう。改善傾向なのか、横ばいなのか、はたまた悪化していないか、バイタルの数値だけからでもある程度予想は立てられます。
⑥検査結果:直近の検査結果で異常値ないか、またその推移はどうかを確認しましょう。main problemに引っ張られ過ぎて、新たに生じた異常所見を見落とさないよう注意。
⑦前任者のproblem listをチェック:今までどういう経過を辿ってきたのか、problem毎に事細かに記載されている、筈!

以上をさっと確認しましょう。
ここにハマると患者さん診察しない研修医になってしまいますので注意です。

・訪室、診察
先ずは当然挨拶から。患者さんは”お客様”ではありませんが、”患者”でも、”お友達”でもありません、患者さんは”患者さん”です。常に丁寧に接しましょう。
その後、調子であったり、困っていることであったりを伺いましょう。
その患者さんのproblemに対応した身体診察も行い、変化を見落とさない様気を付けてください。

またbedsideにて、治療やdeviceなど何が入っているかも改めて確認しましょう。酸素、点滴、バルーン、などなど。カルテの記載や更新が遅れていることは往々にしてあります。
無駄な治療が施されていないか、deviceが挿入されていないか常にチェックし、患者さんが一日でも早く退院できるようにしましょう。

・詳細に情報収集
詳細に情報収集していきます。
身体診察や検査結果をproblem listと併せて吟味:後述
食事は食べられているか?むせ込んでいないか?
痛がっていないか?どのタイミングで?
新しい訴えは出ていないか?それは治療介入を要するものなのか?
In-outは?高齢者に水ジャブジャブに入れていないか?飲水出来るんじゃないか?
リハビリはどこまで進んでる?リハビリ病院をかませた方がよいか?介護認定は進んでいるか?
転院調整、退院調整は進んでいる?
などなど、可能な限りの情報を収集し、患者さんの現状を把握しましょう。

・Assessment/Plan 
上記を行った上で、problem listを作成し一つ一つ丁寧にassessmentしていきましょう。
1つのproblemに対して、最低でも

①原因:そう判断する根拠と共に、考えられる疾患や病態を記載。
②対症療法:酸素化低下なら酸素投与、痛いなら痛み止め、吐き気があるなら吐き気止め、電解質異常なら電解質補正、など。
③根本治療:肺炎なら抗菌薬治療、薬剤による電解質異常なら薬剤中止、など。
④今後のfollowや方針:〇日後に採血follow。数値が改善していたら効果ありと判断して●日間で抗菌薬中止、など。

この程度は思考/記載するようにしましょう。

ただし、肝心の内容はまだまだ間違えや勘違いが多いと思われますので、”~~必要か”や”~~の可能性が考えられる”などとぼかして記載して、後程上級医のチェックを貰いましょう。

・To do記載/上級医に相談
恐らく研修医の時分では思いついたことをそのまま履行するということにはならないでしょう。
ですので、その日/今後行いたいことをすべてリストアップしておき、上級医に根拠を持って相談しに行きましょう。
恐らく高確率でボコボコにされることが予想されますが、上級医の考えを聞き、正しい(であろう)動きを学び、自分とのギャップを認識/埋め合わせることで、徐々に成長していきましょう。

初めから出来る人なんていません。

・カルテの修正と加筆
ここに至るまでに、さぞかしけっちょんけっちょんのボッコボコにされたことでしょう。
feedbackを受けて、カルテを修正し、上級医の指示のもとTo doをこなしていきましょう。
こなしたものは、その結果がどうなったのかも記載していきましょう。

・勤務終わり前、その日のうちに変わったことを記載
行ったことや変化などは、翌日改めて整理することを前提に修正ではなく、加筆する方がよいでしょう。

まとめ

以上いかがでしたでしょうか?

~Take home message~
・事前準備はほぼ必須!
・さっと収集、必ず診察、その後しっかり詰めよう!
・どんなにボコボコにされてもAssessmentは積極的に!上級医には報連相を。

Have a nice ward work!

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